先日は、神楽坂の料亭で友人と酒を酌み交わしていました。神楽坂は新宿区ですが、新宿の歓楽街につながっているというよりも東大などの文教地区の外れにあるという感じです。飯田橋駅の西口から少し北に行くとそこは神楽坂、毘沙門天を奉った日蓮宗のお寺があり、料亭、割烹、居酒屋、レストラン、バーなどがひしめき合っています。
料亭はさすがに居酒屋よりは高価ですが、美味しい肴で旨い酒を楽しませてくれます。もちろん呼べば芸者さん(酌婦かな)も来てくれます。和服を着た女性が似合う街並みとも言えます。高級料亭は一見さんお断りなので、誰かの紹介が必要になります。でも、決して敷居が高いということではなく、お店に入れば気さくに接待してもらえます。
お金を払えば、どんなサービスでも受けられると考えるのは野暮、それが江戸っ子気質と言えるでしょうか。私たちが楽しんだ場所は、料亭と言っても座敷ではなく、カウンター席でした。座敷の利用は、一見さんを卒業して、馴染み客になってようやく予約を受け付けてもらえます。次回、チャンスがあれば、お座敷でくつろいで美酒と肴を味わいたいと思っています。
昨夜は、次男が「そういう場所なら是非連れて行ってほしい、一生行けないかも知れないから」なんて弱気なことを言ったので連れて行ってあげました。こういう場所では、家での躾、作法が表れてしまうので要注意でした。私が帰国してから、家でも箸置きを使うようになりましたが、普段は使っていなかったようで、居酒屋のように皿の上に箸を置いたりしているのには苦笑しました。
料理はコースで注文したので、適度なタイミングでサービスされ、食べ終わると下げられていきます。日本酒は竹筒のお銚子で冷でいただきました。このお店、去年もそうでしたが、つきだしになぜか紀州の梅干が出されました。悪酔いしないおまじないなのかも知れません。
ほどよく酔った後は、次男のために神楽坂界隈を散歩しました。島崎藤村が著作に励んだ旅館を見たり、情緒ある路地の景色を楽しめました。その後、小さな気の利いたバーに寄って、スコッチのモルトを種類を変えて数杯いただきました。千葉の家まで帰らないといけないので、この晩は少し控えめにしていましたけどね。
友人は近くにマンションを持っているので、その屋上近くの共用施設から東京の夜景も楽しめました。六本木ヒルズを眺めたのは初めてのことです。新宿の高層ビル街も美しく見えました。
神楽坂は高台にあり、お堀の辺りが低地なので眺望は抜群でした。共用施設としての利用もいいでしょうが、こういう場所に料亭があったらなぁなんて考えてしまいました。住んでいる方々が友人たちを招いて、パーティなどをやるための施設ですから、それはそれでいいのでしょうけどね。
11時ちょっと前にはお開きになったのですが、東西線に乗って次男と話をしているうちに電車はあらぬ方向に行ってしまいました。気がついて慌てて降りたら、そこは家から一番遠いところのようで、しかも最終電車まで20分も待つということになってしまいました。慌てずにもっと先まで行けば、家に近くなったのですけど・・・ 失敗、失敗。(苦笑)
幸い、千葉まではJRの電車がまだ運行されていたので助かりました。千葉からはとっくに最終電車は終わっています。駅を降りると次男がタクシー乗り場に向かおうとしました。そこで、私は次男を制止して言いました。
「タクシー待ちの行列ができていれば、それをやり過ごすためにちょっと飲んでいこうということになるし、行列がなければいつでも乗れるということで、ちょっと飲もうということになる。だから、様子を見ても意味ないよ」(笑)
ということで、2時過ぎまで千葉で飲み直したのでした。飲兵衛の親父に付き合った次男は、今朝、睡眠不足のまま職場に向かったのでした。若い人はタフですねぇ。^^