今回は「自転車操業」、私がTVでたくさん流されている保険のCMを見て、思い浮かべてしまう言葉です。保険業界というのは、客からお金を集めて投資や融資をして利益を上げていくという営業をしていればいいのですが、本当にそれが正業になっているのかどうか・・・たくさんのCMを見れば見るほど、保険会社の悲鳴のように聞こえてしまいます。
景気がいいと言われていますが、一方では実感のない景気回復とも言われ、企業が盛んに設備投資をしているようにも思われません。現在の景気回復はリストラや無駄な設備投資を控えた結果としての黒字転換じゃないかとも思われます。
とすると、保険会社が企業などに融資して大きな利益を得ているとも考えにくい、ならばどうしているのか。関連会社としてサラ金のような金融業を持ち、そこから利益を得ているんじゃないか・・・ 保険業界として今問題になっているサラ金のグレーゾーン金利を維持したいんじゃないか・・・ なんて勘繰ってしまいたくなります。
そこまで阿漕でないとしても、これだけの新商品と呼ばれる新しい保険のPRを激しく展開しているのはどうしてなのでしょうねぇ。新規顧客を持たないと、会社の運転資金にも困ってしまうような状況にあるのかな・・・ なんて考えてしまいます。
顧客が死んでしまえば、保険会社は支出ばかりのはず。定期的に払ってもらえるお金はなくなり、新規顧客を開拓しないことには先細りであることは間違いありません。しかも、これから団塊の世代の人たちが続々と定年退職し、保険金を払う側から受け取る側に変わって行きます。保険会社としては、自転車操業というよりももっとひどい状況になるのかも知れません。
一方、葬儀会社は団塊の世代を当て込んで、竹の子のごとく新規参入の会社が生まれました。ところが、団塊の世代が寿命に達するにはまだ時間があります。そこで今やっていることは、互助会とか称して将来のお客を確保することに専念しているようです。
これもちょっと見方を変えれば、団塊の世代がお世話になるときまで、互助会と称するものに新規加入者を求め、現在の運転資金を捻出しているとも思えます。将来を当て込んだビジネスでしょうが、最盛期になるときまではそうやって運転資金を捻出しなければならない切羽詰った状況にあるのかも知れません。客よりも会社が先に死んでしまってはしょうがないですね。
生命保険と葬儀会社、損得の時期が妙につながっているから、あるいは既に保険業界が葬儀関係の業界に手を伸ばしているのかも知れませんけどね。世知辛い世の中ですから、そこまで抜け目がないということは十分にありうるのでは。