このテーマで文章を書き始めましたが、最初にも書いたように結論には至っておりません。いろいろと考えている途中なので、まだ紆余曲折しそうです。日本の中で大きな流れの中にいる人たちが「いったいどうしたらいいのか」という答えはまだありません。
豊かであるはずの日本人が、どうもそうでもないらしいという素朴な疑問、それすらどうもはっきりしないようです。「やっぱり豊かなのでは」なんて考えも頭をよぎります。なんだかんだ言っても、海外旅行に出る日本人の数は年々増加傾向ですしねぇ。国内ではあまり感じられない、経済大国日本というのを海外旅行で感じられるというのはなんだか皮肉っぽく思えます。
日本人が豊かでないとすると、豊かでないものを探さないといけません。一番最初に挙げるべきものが「時間」でしょうね。次は「空間」かな。資源のない国の日本ですから、先進国として経済大国として突っ走る限り、「時間」がないのは宿命かも知れません。「空間」だって、狭い国土ですから、これもどうしようもないことかも知れません。
私は自分の好奇心に任せて、幸い家族の理解を得て、好きなことをやってきました。でも、これからの世代の人たち、特に息子たちの世代はどうしたらいいのでしょうか。彼らは彼らで真面目に自分の将来を考えているようですが、違った視点を持つ私がなにか役に立つ指針を持てないかと思ったりします。
日本のファッションやいろいろなトレンドを真似する東アジアの国々の人々をみると、やはり日本は先進国であったかと思ったりもします。高性能の日本製品も日本人としてのプライドを満足させてくれます。そして、東アジアの人たちに日本人はお金持ちだと思われていることも事実でしょう。国内では、お金持ちだなんてほとんどの人が感じていないということを知るよしもないでしょうしね。
私のタイ人の友人は、今回の私の「タイで田舎暮らし」という趣旨と目的とをよく理解してくれていると思います。彼女は日本に行ったことはありませんから、彼女の頭にあるのは、タイの田舎とバンコクとの比較によるもののようです。これは案外いい比較じゃないかと私にも思えます。
国際化し、都市化したバンコク、そこで働くタイ人たちには日本人と似たようなストレスが見受けられます。ただ日本と違うのは、タイには日本だけでなく欧米からの企業進出が活発で、タイ人の多くがそこで働いているという問題点があるでしょう。もちろん、タイ人でも事業活動を通してお金持ちになっている人たちはかなりの数になります。こういう人たちは普通の日本人よりはるかにお金持ちですけどね。
タイ人の友人である彼女が指摘した問題点は、人々のコミュニケーションにあるのではないかということです。田舎と都会との差として、このことは言えると思います。不便さはコミュニケーションの必要性をもたらします。すべてのものが簡単に手に入ると、黙っていても生活できるのが都市部でのライフスタイルでしょう。
そうすると問題点は、再び都市化という問題に戻ってくるようです。諸悪の根源は都市化にあるのかも知れません。