前回の衆議院選挙の際、自民党が3分の2の議席を得、私はとうとう少数派の人間になってしまったと感じたものです。あの時、私は自民党の大敗を予想したのですが、見事に裏切られてしまいました。自民党の大勝について冷静に分析すれば、自民党がそれほど多数の票を集めた訳ではなく、小選挙区制がその理由だったのですけどね。
一方米国では、あのブッシュ大統領が再選されるという、これもまた信じがたい結果が報道されました。私は、自分自身がかなり左翼的な考えになってしまったのかと疑わざるを得ませんでした。そして、日本の小泉首相は相変わらず米国との協調を主張し、有頂天に見えたものです。
米国のイラク攻撃の際、私は日本のどの新聞も信用できなくなり、世界中の新聞の論調を気にしたものです。私は、あのときは基本的にユーロニュースのスタンスを信用していました。要するにイラク攻撃は間違いであるということです。あれから、数年経った今、米国民はようやくその間違いに気がついたようです。
そして、日本国民もまたどうもおかしいということに気がつき始めたようです。郵政民営化という争点だけで衆議院選挙をやるなんてそもそもおかしいのに、日本国民はまんまとその作戦に乗せられてしまったようです。自民党に3分の2という議席を与えてしまったと、多分後悔したことと思っています。今回の参議院選挙の投票結果をみると、日本国民にはそのときの反省があるのではないかと思われます。
結果、自民党は多数の力を頼りに次々と法案の強行採決を実行したのですから、日本国民はこれは困ったことになりそうだと警戒心を持ったことでしょう。今回の参議院選挙では、いい意味でのバランス感覚が働いたのではないかと思います。
ということで、私が少数意見の持ち主だったのではなく、日本国民の方が気が長かったのだと思っています。少数意見といえば、日本共産党という政党はすごいものです。ソ連が崩壊しても、他の国で共産党という名前を止める政党が続出しても、長い間、少数派を保ち、存在し続けているのですからね。
私は、それほどユニークな意見の持ち主にはなれそうもありませんが、自分の意見だけは持ち続けて行きたいと考えています。